CULTURE
清水尋也と高杉真宙W主演、バイオレンス青春映画『オアシス』
『オアシス』
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何とも気だるそうに、何とも不機嫌そうに、淡々と街を歩く富井(清水尋也)。彼の視線が何を追っているのかをこちらに探らせるかのようにカメラが富井を捉える。冒頭で映し出されるその“背中”に引き寄せられ、この映画の世界観に引きずり込まれる──。
かつて青春時代を一緒に過ごしながらも、今は裏社会で、別々の道で生きる幼馴染みの富井と金森。そして、彼らのもう一人の幼馴染みであり、ある事件によって記憶をなくして生きる紅花。
『オアシス』は、アンダーグラウンドな世界を舞台にした、アクションもある、血も流れる、3人の若者たちの葛藤を描くバイオレンス青春映画。この映画がデビュー作となる岩屋拓郎監督が紡ぐオリジナルストーリーです。
「自分は何者なんだろう?自分の居場所はどこにあるんだろう? 地元、名古屋にいた頃のヒリヒリした感情を想い出しながら脚本を書きました」と岩屋監督が語るように、まだ何者にもなれない自分自身に苛立ち、どこかにあるであろう居場所を求めて彷徨う感情は、きっと誰もが味わったことのある感情で──。そのリアルな感情が、映画という虚構の中にノスタルジックに漂っている。
主演は、清水尋也と高杉真宙。これまで何度も共演経験のある2人は、“この世界(芸能界)に入って、最初にできた友人”として、プライベートでも長き渡って親交があるそう。清水と高杉のこれまでの親交が、演じる富井と金森の幼馴染みという関係性に説得力を持たせているのではないか。そんなふうに感じるシーンがいくつもあります。逃亡中のひとときもそのひとつ。紅花役の伊藤万理華とのバランスもいいのです。
ツラいとき、苦しいとき、くじけそうなとき、人には、何かひとつでいい、心の支えとなるものが必要で。3人の幼馴染みの行く末を見守りながら、自分にとってオアシスと言える場所は何処だろうと記憶をたどりたくなる。少々バイオレンス強めではありますが、とても熱い、とても純粋な青春映画です。
背中で語る度 |
★★★★★
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青春度 |
★★★★☆
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バイオレンス度 |
★★★★☆
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監督・脚本
岩屋拓郎
出演
清水尋也
高杉真宙
伊藤万理華
松浦慎一郎
杏花
林裕太
青柳翔
津田寛治
窪塚俊介
小木茂光
配給
SPOTTED PRODUCTIONS
2024年11月15日(金)より新宿武蔵野館ほか全国順次公開
Ⓒ2024『オアシス』製作委員会
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