CULTURE
2024.12.27
2024年をふり返る。心に残る女性に響く映画たち
このCINEMAページで2024年に取り上げた本数は50本。その中から、もう一度おすすめしたい!と思うタイトルを6本選びました。
『哀れなるものたち』
『一月の声に歓びを刻め』
『コール・ジェーン –女性たちの秘密の電話–』
『ナミビアの砂漠』
『シビル・ウォー アメリカ最後の日』
『ふたりで終わらせる/IT ENDS WITH US』
共通するキーワードは“女性”です。この6本に登場する主人公たちは、それぞれが抱えるものと懸命に向き合う姿が描かれます。なにも女性で括らなくてもいいのでは?と思う人もいるかもしれないですが、時代が進み男女平等と謳われていても、まだまだ「どうして?」と壁にぶつかることがある。そんな時に頼りにしたくなるような、痛みを分かり合えるような女性たちが映画のなかで生きています。
『哀れなるものたち』は、なんとも衝撃的なかたちで誕生したベラが自分の人生は自分で切り拓いていけることを教えてくれます。『一月の声に歓びを刻め』は、心に抱えている重みを少しだけ代わりに持ってもらうような、ぎゅうっと抱きしめてくれる温かさがある。『コール・ジェーン –女性たちの秘密の電話–』は、女性の選択の権利としての人工妊娠中絶を描いた実話を基にした映画でした。
『ナミビアの砂漠』は、行き場のない感情とどう向きあえばいいのか、若者の生きづらさが伝わってきます。『シビル・ウォー アメリカ最後の日』は、女性の戦場カメラマンの視点から戦争を映し出していました。『ふたりで終わらせる/IT ENDS WITH US』は、それは本当に愛情なのかと立ち止まる勇気をくれる、自分や大切な人を守るための選択について描かれています。
映画は「面白い!」だけではなく、痛みを癒してくれたり、勇気を与えてくれたりもする。この6本もそんな頼もしい映画です。映画と一緒に2024年をふり返り、そして2025年も素敵な映画との出会いがありますように。
Rie Shintani