CULTURE
映画について語りたくなる『映画を愛する君へ』
『映画を愛する君へ』
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ふと考えることがあります。映画が好きってどういうことなのだろうと──。
エジソンがのぞきめがね式の映写機械キネトスコープを発明し、その後、リュミエール兄弟がスクリーンに映写するシネマトグラフを発明したことで、映画史が始まったわけですが、ひと言で映画といっても、作品ごとにテーマもジャンルもストーリーもさまざま。でも、映画と呼ばれるものに惹かれる。よくよく考えてみると、映画が好きって何だかとても不思議なのです。
そんな疑問の出口に近づける映画が『映画を愛する君へ』。フランスの映画監督アルノー・デプレシャンの作品です。11章で構成されるこの映画は彼の自伝的映画でもありますが、原題の「Spectateurs!」が意味するのは「観客」。デプレシャン監督はこのタイトルに「映画ファン」という意味を与えているそうです。
「映画館に行くとはどういうことなのだろうか?なぜ人々は100年以上も映画館に通い続けているのか?私は、映画館と、映画館のもたらす数々の魔法を世に伝えようと決めた。そこで私は、映画ファンの青春物語のように、若き日のポール・デダリュスの足跡をたどった。思い出、フィクション、発見が、とどまることを知らない映像の奔流の中で一つになる」(アルノー・デプレシャン監督)
ポール・デダリュスはこの映画の主人公。デプレシャン監督の分身でもあります。ポールが初めて映画館を訪れた少年時代に始まり、映画部に所属していた学生時代、評論家から映画監督になろうとした成人時代──6歳、14歳、22歳、30歳、ポールの成長に合わせて4人の俳優が演じています。
ポールを通じてデプレシャン監督の歴史をたどりながら、ドキュメンタリーも差し込まれます。一般の映画ファンが自分の好きな映画やその理由について、初めて観た映画について、自分にとって最も意味のある映画、映画館で泣いた理由などを語るシーンが映し出される。自分だったらどう答える?どんなタイトルを挙げる?と、観客が参加できる構成もユニークです。
この映画を観終わる頃には、きっと各々にとっての「映画とは何か」という問いの答えのようなものが見えてくるのではないかと。そして映画をもっと観たくなる、映画館で観たくなると思うのです。
11章からなる構成はとても観やすい度 |
★★★★☆
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引用で登場する50以上の映画も観たい度 |
★★★★☆
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マチュー・アマルリックも知ってほしい度 |
★★★☆☆
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監督・脚本
アルノー・デプレシャン
脚本
ファニー・ブルディーノ
出演
ルイ・バーマン
クレマン・エルヴュー=レジェ
フランソワーズ・ルブラン
ミロ・マシャド・グラネール
サム・シェムール
ミシャ・レスコー
ショシャナ・フェルマン
ケント・ジョーンズ
サリフ・シセ
マチュー・アマルリック
配給
アンプラグド
2025年1月31日(金)より新宿シネマカリテほか全国順次公開
Ⓒ2024 CG Cinéma / Scala Films / Arte France Cinéma / Hill Valle
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