ILLUSTRATOR ASUKA KIKUCHI
今年で創刊12周年のNYLON JAPAN。創刊時からずっと続いている人気編集長コラム「letter from the editor」を、毎週金曜日にランダムで公開。編集長コラムと読者の方々からご応募いただいた素敵なイラスト&アートワークを、懐かしの出来事とともにお届けします!
ナイロン ジャパン編集長 戸川貴詞コラム
空気の境界線
地球は丸くて同じ空気のはずなのに、国によってずいぶんとその質は違う。温度や湿度、それだけではない何か・・・・・、そう、なにかの成分が違っているような。科学の授業で習った、O2やらCO2やらN2やらHeやら。山に登れば酸素が薄いのは誰でも知っていると思うけど、それと同じで、きっと化学的に調べても成分・性質が違うのだろう。で、その空気を吸って生活してるから、そのお国がらが出るんだと思うし、性格や考え方も自然と変わってくる。
食文化の違いが国の特性と関係がある、とはよく言われるけど、空気についてはあまり語られない。さらっとした空気、ねっとりとした空気、皮膚を刺すような空気、まったりとした空気・・・・。日本国内だけでも、ずいぶんといろんな空気が存在するし、国境越えたとなると、もう別種。いろんな国民性やカルチャーがあるわけだ。
はて? 空気に境界線ってあるのだろうか? 空気はいつも流れているからいろいろとミックスされそうおなものだけど、あんまり変化しない。きっと、見えない境界線がそこにはあって、だから、ニューヨークもパリもロンドンも、そして東京も、まったく違う空気がその中で循環しているんだと、僕は思う。
結局、そこで生活する人達が吸って吐いて、動物達が吸って吐いて、そこに生える草木が吸って吐いて。そこの土地にあるものすべてに空気が触れるから、その土地独特の空気が出来上がる。ん? 空気と人、どっちが先なんだ??
ナイロン ジャパン編集長 戸川貴詞
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