CULTURE
2017.08.05
2010年03月号掲載 ED_LETTER vol.73『10維新』
10維新
人間はいつだってけんかゆくし、いろんなことを憶えてゆくさ。いつまでも止まってはいられないぜ。いつだって止まってちゃいけない。見えなかったものが見えたりするし、わからなかったことがわかったりするさ。生きているから! 誰だってたえまなく生きているんだゼ。誰だって昔のままじゃないはずさ。だけど角がとれたなんて言わせはしない。まるくなることが生きることじゃない。聞けなかったものが聞けたり、やれなかったものがやれたりするさ。生きているから! 楽しいときも悲しいときもある。だけど時の流れに身を置いちゃいない。生きているから!
――アナーキー『’80維新』より
時代は80年代に突入し、ファッションも音楽もアートも新しいチェレンジや発想が次々と世の中に受け入れられ、その頃は、自分にとっても世の中にとっても、いろんな意味での変革期だった。
そして今年、2010年。図鑑の中に描かれた世界でしかなかった、“21世紀”という大きな幻想の中に入って、すでに10年が経った。まだ見えない何かに向かって、いろんな経験をして、たくさん努力したいと願う切実な気持ちが、当時中学生だった僕の卒業文集に、上記にあるアナーキーというパンクバンドの歌詞といっしょに書き留めてあった。
あれから30年――あの頃の僕に誇れる自分になっているのだろうか? ひとつひとつ確かめながら、おそらく激動となるであろう10年代を、しっかりと歩いていこうと思う。
ナイロン ジャパン編集長 戸川貴詞
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