CULTURE
2016.10.29
2011年7月号掲載 ED_LETTER vol.34『GRATEFUL FOR KYOTO』
GRATEFUL FOR KYOTO
小、中、高と、とにかく社会の授業が大っきらいで、もっぱら、数学、物理など、すべてが公式の応用で効率的な学問ばかり好む。 特に日本史は、「いい国つくろう鎌倉幕府」って授業で復唱させられた瞬間から、いったいいくつそんなくだらない文章を覚えさせられるんだろう?って、この無駄な記憶力学習の必要性がわからず、おそらく生涯手にした教科書の5%くらいしか覚えないまま学生を終えることに。
それから15年近く経って、自分で今の会社を経営するようになり、海外での活動が増えて日本のことをあれこれ聞かれるようになると、もう、何一つ自分の国のこと知らない自分に、ビックリするやら恥ずかしいやら。徐々に本を読んだり大河ドラマを観たりしてるうちに、すべてのつながりすべてのルーツが知りたくなり、世界の歴史を含め好奇心が大爆発! いまだに時間があると本を 読みあさったり映画を観たり。
そんななか、神社やお寺が日本の歴史に刻んで来たもの、そしてインドを中心とした海外の歴史とのつながりを知れば知るほど、 実際に体感したくなる。で、京都。中学生の修学旅行では、仲のいい友達や好きな女の子との泊まりがけの旅行という意味合い以外、神社仏閣めぐりなどなんの興味もなかったけど、改めて訪問してみて初めて、なんて素敵な場所に訪れてたんだろう、とうっすらとした記憶を呼び覚ましつつ、神様に感謝し仏像の前で心を鎮める。
僕は宗教に傾倒してるわけじゃないけど、そこを訪れると歴史が一瞬でリアルになり、今の自分を取り巻く環境の意味が明確になり、また次の好奇心が湧いてくる。仏陀や如来など“仏”の原義は“目覚めた者”の意。その姿を表現した仏像の前に立った瞬間、世の中の物事の真理が少し、自分にも理解できるようになってくるわけで......。
でも、訪問できる場所は時間的にも限られ、京都のみならず、奈良、鎌倉、もちろん日本中、いやいや世界中をめぐる旅に出るためには、やっぱり目の前の現実に向き合い走り続けよう、と心に誓う。そして限られた自分の人生は、自分のまわりで起こ る予測不能な“今”を楽しんでいくことなんだな、と名残惜しみつつ京都を後にする。
ささ、仕事仕事ε=ε=ε=ε=ε=ε=ε=(っ・ω・)っ
ナイロン ジャパン編集長 戸川貴詞
follow him!
Instagram togawatakashi
snapchat togawatakashi
flashback memory 2011_07 ・サッカー女子W杯で「なでしこジャパン」が世界一に ・70sのレトロアメリカンなコーデがトレンドに ・映画『ハリー・ポッター』シリーズがついに完結 | |