CULTURE
2016.12.31
2011年12月号掲載 ED_LETTER vol.43『no common sense』
Mountaineering
ウィキペディアによると、「常識は、社会の構成員が有していて当たり前のものとしている価値観、知識、判断力のこと。対義語は非常識。その社会に適した常識を欠いている場合、社会生活上に支障をきたすことも多い。社会によって常識は異なるため、ある社会の常識が他の社会の非常識となることも珍しくない」とある。また「常識は特定の社会の成員が共有し、前提として疑わない認識のことであるから、特定の社会に限定されない普遍性を条件とする真理とは時として相違する。ある認識が真理として認識されれば、最終的にはその認識は常識のなかに組み込まれることになるといっていいが、その過程は必ずしも平坦ではないし、即時というわけでもない。また、真理として未だ十分に検証されていない認識でも、常識とみなされる場合も多い」と。
ということは、やはり10年後の「常識」は現在の「非常識」である場合も、「常識」を覆す「非常識」こそが、未来を作っていく原動力の一部になる、と。
哲学者の三木清は、「常識」の上位概念が「良識」であるという。常識人が「常識」を無謬のものとして受容し、「常識」を盾にして「非常識」を断罪するのに対し、「常識」に疑問を持てる知恵が「良識」なのだと。そう考えると、「常識」と「非常識」を、100か0のどっちかに括るんじゃなく、なんていうか、“非常識な良識人”でいたい、って思うわけで。
未来という見えないところに行くために、そこでキラキラしたものを作り出すために、「常識」という、ある意味閉じた社会に属する人間に共通な知識の枠にとらわれず、勇気を持って“非常識な良識人”になろう......そろそろ冬の冷たい空気が流れ出した東京にて、そんなことを思ってみたり。
ナイロン ジャパン編集長 戸川貴詞
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flashback memory 2011_12 ・トム・クルーズ主演の映画『ミッション:インポッシブル』がヒット ・ドラマ『家政婦のミタ』が視聴率40%を記録し大ブームに ・2011年の漢字が「絆」に決定 | |