CULTURE
2017.06.17
2012年02月号掲載 ED_LETTER vol.66『total lunar eclipse』
total lunar eclipse
日本では11年振りという“皆既月食”を眺めていて、月に映る地球の影が、その丸さや大きさをリアルに感じさせてくれ、今自分が立っているこの場所のことを、あらためて地球規模で考えてみたくなったりしちゃったり。
世の中すべての物事は、その対象となるモノ、コトをどこから、どのようにして、どういう気持ちで、どのタイミングで見るかによって、その意味はまったく異なってくる。
例えば、今国会でも話題沸騰中のTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)問題。これに日本が参加すると、「日本で流通する食品の安全基準や検査方法が外国のものに統一され、食の安全と安心が脅かされる危険性がある」「医療機関が自分で診察料を決められる保険外診療が増え、医療費が高くなったり、営利目的のコストダウンで医療の質が低下したり、不採算の診療科目や地域から撤退する恐れがある」「物品、金融、公共事業、人の移動など、あらゆる分野での自由化が求められる。多くの外国人が日本に働きにくることにより、日本人の雇用が減少し、デフレが進み、賃金低下や失業率が増えると懸念されている」......。
日本だけのことを考えたら、“見方”によってはそうかもしれない。が、地球規模で考えると、関税をほぼ例外なく撤廃する貿易自由化により参加諸外国の経済発展に貢献し、ひいては日本の停滞した経済へのカンフル剤にもなり、結果的には世界のため=日本のためになる、という“見方”もあると思う。
ようするに“見方”。もはや今の時代において、自分だけ良ければいい、という“見方”では何も生み出せない。日本が住みにくいと思うなら海外に行けばいいわけだし。これは狭い視野で考えたら危険な“見方”と言われるようなことだけど、どちらにしろ本質的な自由競争のなくなった経済に発展なんかないわけで。江戸時代の鎖国をぶっ壊すきっかけを作った井伊直弼も、諸外国との貿易により日本の発展を願った坂本龍馬も、その物事の“見方”から反逆児扱いされ暗殺されちゃうわけだけど、彼らがいなくなった後には、結局世の中は、彼らの“見方”が正しかったことを証明してしまうことになる......。
今も昔も変わんない。広く広く、大きく大きく物事を見ていれば、自ずと正しい道、夢のある道が見えてくるはず。地球の影を眺めながら、そんなことをぼんやり考えていた......ら、すっかり風邪を引いてしまった冬の夜 ( ノд-。)
さてさて、こたつにでも入って、今月のインタビュー特集読みふけっちゃお o(*^ ▽ ^*)o~♪
ナイロン ジャパン編集長 戸川貴詞
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