CULTURE
2017.05.06
2013年12月号掲載 ED_LETTER vol.60『jet lag? time slip?』
jet lag? time slip?
特に日本から日付変更線を越えて海外に行った時、時間が巻き戻ることになる。例えばハワイだと、日本を夜遅くに出発して約6〜7時間、到着するとその日の朝になってる。一度過ごした時間を、もう一回まったく違った世界で繰り返すことになるわけで。
なんか、理屈ではわかってるんだけど、感覚的にはいまだにピンとこない、何度行っても。で、変な時間に眠くなる、時差ボケの始まり......。で、終わらせちゃ、ただただ辛いだけ。だから、毎回タイムスリップしてるってイメージしてみる。飛行機は、もちろんでっかいタイムマシン。
子供の頃、テレビや映画で観るタイムマシンや、時空を超えるワープ、瞬間移動などなど。寝る前なんかに目をつぶって、まぶたの裏に無限に広がる暗闇にいろんな世界を映像化させて、目を開けるとその場所に行ってたり時間を飛び越えてる、そんなワクワクしながらの想像的な時間を楽しんだり。夜中にそうっと部屋を出ると、まったく違うところにいるんじゃないかとか、何日か前に戻ってるんじゃないかとか、はたまた見たことのない未知の未来にいるんじゃないか、とか。
でもそんなワクワクする夢想の世界は、父親のでっかいいびきで吹っ飛ばされ、一瞬にしてリアルワールドに引き戻される。同じように大人になった今でも、飛行機の中の密かな自分だけの楽しみは、乱気流などによる機長の音の割れたアナウンスで、それが地球の大気圏内での出来事であることを思い出させる。でも、本当に単なる“時差”なんだろうか? さっき飛び立って、日付変更線を越えて、地球が回って、太陽の周りも回って、月も地球の周りを回って、流れ星も流れちゃったりして......。
何かの答えが出そうになるけど、結局いつもあきらめる。やっぱり、本来自分自身で動けるスピードじゃない速さで移動してるうちに、少しずつ時間軸がずれてるんじゃないか、なんて。そう思うほうが、なんとなく感覚的にはピンとくる。 タイムスリップをともなう時間旅行は、僕の究極の夢だから。いつかきっと宇宙に飛び出して、光より速いスピードで移動して未知の世界に胸をときめかせる......。
嘘。本当は読む本がなくなって、観る映画がなくなって、寝すぎて眠くもなくて、長いフライト中にこの原稿を書いてるから、こんなことに。あ、書いてることは嘘じゃない。何言ってるんだ、やっぱ、時差ボケかヽ (;′△` ) ノ
ナイロン ジャパン編集長 戸川貴詞
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