CULTURE
2018.02.24
2014年06月号掲載 ED_LETTER vol.101『thank you all, huge love xxx』
thank you all, huge love xxx
言葉って、便利なようで不便だったり。すべてに感謝してるのは至極当然で、でも言わずにはいられなくて、でも言うと陳腐に聞こえたりもして。「10年」という時間なのか、年齢なのか、時代なのか、経済なのか、意味なのか、空気なのか、文化なのか、ファッションなのか。でも、やっぱりそこにあるものは「人」、なのかな。
思い返せ、と言われても断片的。写真や言葉を目の当たりにすると、 ああ、そうだったそうだった、と。でもその時の自分の気持ちまでは、なかなかリンクしない。でもまあ、それが「10 年」ってことで。
スタートは、ロンドンに仕事でいる時、US版NYLONをタワレコで買ってきて、連絡先探してNYのオフィスにLONDON CALLING♪ そんなゆる~い感じのファーストコンタクトだったんだけど、どこか自分のなかに確信的なものがあって。それがいったい何だったのかはあんまり覚えてないから、まあいっか。その後、現在も編集長を務めるマーヴィンと東京でミーティング。紆余曲折、めでたく『NYLON JAPAN』創刊。パチパチパチパチ。
で、月刊化第1号のカバーガールに登場してもらったアーティスト、Utadaこと宇多田ヒカルさんのインタビューより。「なんか、アングラな感じとかオルタナティウな感じとか、そういうの絶対やなんです。オリジナリティがあるってことと、アングラな感じっていうのは違うと思うんですよ。なんか、アングラな感じっていうとまたそういう1つのジャンルじゃないですか、マニアックすぎるというか。どんな仕事でもいろんな要素があるわけで、例えば、1曲のなかでもこの曲は歌詞がちょっとわかりにくいとしたら、コードはポップでその背景にあるものは、誰が聴いてもわかり合えるとこにある自然なもの。自然体で作った不思議な料理みたいな、そういうバランスはすごく考えながらやってます。最終的には誰にでもどっかひっかかるところがあるようなものを作りたいって思ってる。入り口がせまくて出口がでかいものとか、入り口もせまくて出口もせまいものとか大っ嫌いなんですよ。何かを極めていくこととか自信を持って自分の個性を突き進めていくことが、入り口がせまいものだっていう考え方は間違ってると思うんです。私は入り口は絶対、むしろどんどん広げていきたいし、みんな雪崩落ちちゃうくらい入り口はおっきくしといて、で、極めていくっていうのは出口をどんどんどんどん絞ってって、私だ! みたいな、私の気持ちはこれなんだ! っていうとこに持っていく。雑誌だって、表紙はやっぱり目を惹きつけるとか、大事なことをわかりやすくするとかしますよね。でもそのなかで何が大事なのかっていうことを自分ではっきりわかんなきゃそれって達成できないし、中開いたら、いろいろマニアックな人も惹きつけるようなどうでもいいようなことがあったりとか。いろんなとこがあるけど、全体としてやっぱりポップだというのが、私はこのアルバムにも自分のイメージでものすごくあって。なんか迷ってこれどうしたらいいんだろうって時は、ポップでポップでって、ここまで1本の道を進んできたから……」。デビュー間もなく、日本中の人達の心をつかんだ彼女のその言葉は、10年間、自分のなかでずっと生き続けてる。NYLON JAPANもいつもポップでポップでって、そうあり続けた結果、少しでもみんなの心を豊かにできる雑誌として、全国の書店やコンビニに毎月並び続けることができたのかな、って。
その時代の、カワイイもの、おしゃれなものを全部切り取ってスクラップして、1冊まるごとみんなにとって愛おしい雑誌になりますようにと、みんなで心を込めて作ってきた10年間。地球規模で考えると目に見えない塵のような、自分規模で考えるといつの間にかできたニキビのような、ほんの小さなことでしかなくても、NYLON JAPANはたしかにそこにあったものとして、いつかどこかで何かと、 そして誰かと繋がってきた。これからも、みんなにとってそんな存在であってほしいな、と心から。
明日からまた、楽しみすぎる。I'd love to be with you forever, see you on NYLON JAPAN magazine!
ナイロン ジャパン編集長 戸川貴詞
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