CULTURE
2018.06.02
2016年4月号掲載 ED_LETTER vol.113『can't shere it』
can't shere it
若干ブーム感のあった断捨離も、ちょっとひと段落して、モノを捨てることがかっこいい、モノを所有しないことがかっこいい的な強制感にさいなまれることも、最近やっとなくなってきた感じ。
“モノ”にしても“コト”にしても、過去にとらわれないで、未来を見据えて今を生きようみたいなの、なんかずっと小さな違和感があって。自己啓発的に そういうこと言われると、どうにも反発したい気持ちがうっすら芽生えちゃう。まあ、別にどっちでもいいレベルの話なんだけど。
“モノ”から“コト”の時代になったと言われる昨今、感動をシェアすることはもちろん素敵なことだなあって思うんだけど、過去のモノに宿る過去の想い 出は、やっぱりそこにしかリアルはないわけで。それを観て聴いて触れて香って味わって、泣いて笑って苦しんで楽しんで、って、写真だけではわからない、 いろんな意味での埃っぽさが、僕は好き。
魂レベルで過去に興味がない人なんて、ほんとにいるのかなあ? 過去にすがって生きる、って言葉にするとなんか重たくて後ろ向きな感じがするけど、いいものも悪いものも、想い出を大切にしながら生きることは案外悪くないんじゃないかって、最近よく思ったり。
それは、その瞬間にしか宿ることのなかったいろんな想いがギュッと詰まった、シェアしたくてもできない、どうやっても人には伝えられない、本当にかけがえのないものだから......。
とか言ってたら、自分のまわりがモノだらけ。だるいけど断捨離しよっと。。
ナイロン ジャパン編集長 戸川貴詞
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