CULTURE
2018.01.27
2016年05月号掲載 ED_LETTER vol.97『cassette tape』
cassette tape
カセットテープが、また売れ出してるんだとか。
会社がある渋谷の宇田川町でも、カセットテープコーナーを設置したレコード屋さんに行ったら、ちょっと見ないうちにコーナーが倍以上の品揃えになってるし。説明するまでもないと思うんだけど、カセットテープって、聴きたい曲の頭出しが面倒くさいし、A面B面があるし、何度も聴いてると音だ劣化しちゃうし、アナログレコードほどじゃないにしろ扱いはデリケートだし、もちろん、かさばるし。昔よくクルマのダッシュボードに置きっぱなしにして、太陽の日差しでテープが伸びちゃって、音がボヨボヨになってたりして……。
スマホでちょちょい、の時代にまたなんでって感じだけど、面倒くさいって思うか楽しいって思うかは、その人の感性であって実態じゃない。幸せの基準なんてどうやったってはかれないのと一緒で、ものごとの善し悪しは、時代や環境やその人の感性で全く変わってくるわけで。
最近、モデルの子達がフィルムカメラにハマってたり、僕自身も古いクルマやバイクにハマってたり、年代とか性別とか関係なく、懐古主義というわけでもなく、衣食住どんなことでも面白いものは面白いと、自分のライフスタイルのなかに自然と溶け込んでるものごとってたくさんあったりする。それは、技術革新による新しいものごとに対するワクワクとなんら変わらない。
ある角度から見れば、ただただ面倒くさいだけのことも、違う角度から見ればとても素敵なことに見える。世の中の摂理だと思うけど、そういったことが以前よりとても自然にあふれてきてる。
やっと作為的じゃない、いい感じのボーダーレスになってきた。
ナイロン ジャパン編集長 戸川貴詞
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