6月28日に発売された本誌8月号、NYLON guysにて初登場を果たしたのは、俳優の清水尋也。これまでにも多くの話題作に出演し、若手実力派俳優として着々と注目度を上げていった彼だが、7月から始まるテレビ東京系『インベスターZ』にて初となる主演ドラマの放送が開始される。同日スタートのTBS系連続ドラマ『チア☆ダン』の出演も決定している今最もアツいIT BOYに、NYLONはインタビューを敢行。ストリートカルチャーをこよなく愛する彼がおすすめするインディペンデントブランドや、Hip-Hopアーティストは要チェック!
NYLON JAPAN8月号の撮影はいかがでしたか?
フリースタイルで即興的に作り上げていく感じが、僕の性にあっていて楽しめました。良い緩さがある現場でしたね。
映画やドラマなどの撮影現場とはやはり雰囲気も異なりますよね。
そうですね。自分の中での感覚はだいぶ違うかな。モデルとしてカメラの前に立つ時は、誰かを演じる必要がないので、肩肘張らずにいられる気がします。芝居だからといって気負ったりガチガチになったりすることはないですが、モデルをしている時の方が素の自分でいられる、というのはあると思います。雑誌撮影ではスタッフさんの人数が少ない分、コミュニケーションが取り易い。だから自然とその場に応じてどうするか決めるという場面が多くて、面白いですね。
今回の撮影ではどんな場面で即興性を感じましたか?
最終的に誌面には載らなかったカットなんですけど、撮影終盤で、野良猫なのか飼い猫なのか、とにかくめちゃくちゃ人懐っこい猫が近寄ってきて、流れでその猫と一緒に寝転がって写真を撮ることになったんです。それは印象的でしたね。
猫派ですか?
完全に猫派です。親が猫好きで、たくさん猫を飼っていた時期がありました。幼馴染が5匹くらい猫を飼っているので、猫に癒されるためだけにその子の家に行く事も(笑)。今住んでいる実家ではもう飼っていませんが、一人暮らしをすることになったら飼いたいなとは思っています。
Hip-Hopがお好きだと伺いました。好きになったキッカケは?
中3の時かな、YouTubeでいろんな動画を見ている内に、ひょんなことからHip-Hopに目が行くようになって。そこからのめり込んでいきました。
ご自身で楽曲を作ることはありますか?
フリースタイルは以前から友達と遊びでやっています。友達と暇な時にリリックを書いて音源をつくることはありますが、人に聴かせられるようなものではないです(笑)。
今日のプレイリストは?
変態紳士クラブっていう2人組の曲を聴いていました。Hip-Hopとレゲエっていう違う畑から来た2人によって結成されたユニットです。キャッチーで聴きやすいサウンドが魅力ですね。あとは、KZM(カズマ)。彼はもともとYENTOWNというクルーのメンバーで。最近出したアルバムのDIMENTIONという新譜がめちゃくちゃいい。おすすめです。
普段のファッションでは、ストリート系のブランドが主ですか?
そうですね。一時期はモードっぽい服を着ていたこともあったんですが、Hip-Hopに傾倒していくにつれ、次第とファッションやライフスタイルもそちらに寄っていったような気がします。若いうちは、少しくらい奇抜だったり、ズレていたりするような格好だったり、良い意味で調子に乗って、自分が着たいものを着ればいいんじゃないかなって勝手に思ってます(笑)。
「突き抜けているな」と思うブランドはありますか?
最近はBLACK BRAIN(
@blackxbrain)というブランドの服を良く着ます。DIARYというシリーズではブランドのディレクターが撮った日常的な写真をプリントした服を展開していて。僕らが普段目にするお札や、小銭、タバコのパッケージなどが写った一見なんの変哲もない写真のなかに、過激なものも映り込んでいるんです。そういうものは案外身近に潜んでいるっていうそれこそがリアルなんだと思います。着ていると人から「えっ」と後ろ指さされることも無くはないのですが、特に気にはしていません。
ストリート系のインディペンデントブランドはどうやって発掘していますか?
好きなラッパーが着ているものからディグることは多いです。今日私服で履いているパンツは、Pretty Boy Gear(
@prettyboygear)というタイのブランドのもの。YENTOWNのメンバーがやっているJUNK MANIA(
@junkmania_jp)というオンラインストアがあって、そこで見て知りました。服はオンラインで買うことが多いです。
7月からテレビ東京ではじまるドラマ『インベスターZ』で初主演に挑戦した清水さん。意気込みを教えてください。
初めて主演を務めさせていただく作品にはなりますが、お芝居に対する態度はいつもとなにも変わりません。ただ、「何もプレッシャー感じませんでした」というのは違いますよね。やっぱりやるからには自分が主演であることを自覚しなければいけない、そういう意味での気張りはありました。コメディタッチの作品なので、周りの役者さんの胸を借りつつ、自分自身も楽しんで演じられたら、と思っています。
マンガ原作の作品ですが、原作の雰囲気は意識されていますか?
…意識してないです(笑)。オファーをいただいてすぐに原作を見たのですが、まずビジュアルからして全然違うんです。主人公が僕に全然似ていない。これはもう捨てでいくしかないな、と。内容自体も、ドラマの方が全体的にコメディ要素が強くなっています。ドラマでは、変顔や大げさなリアクションもしているので、なにか振り切ったような新しい「僕」を観て頂けると思います。
今回演じている役柄は、進学校に通う秀才でいわゆる「エリート」。一方清水さんはこの春高校を卒業されて、あえて進学の道を選ばず役者一本に絞られましたね。そういったご自身の生き方をどのように見ていらっしゃいますか?
僕は天邪鬼というよりは、単純に人と同じというのが嫌いで。例えば、学校を卒業していわゆるサラリーマンになる。毎日同じ時間、同じ場所で仕事をして、同じ時間に帰ってくる生活。そういう生活を送る自分を想像できなかったんです。このお仕事をしていると毎日違う場所、違う時間で、違う人に会う。それは僕にとってすごく刺激的で、毎日違うものを取り入れて大きくなっていけるような気がしたんです。唯一無二の存在であればそれでいいから、エリートじゃなくたって構わない。凡才って言われたっていいんです。
周りの意見は気になりませんか?
全然。ネガティブな意見なんてそこかしこに転がっているものだから、いちいち頭を抱えていたら今頃泡吹いて倒れちゃってるんじゃないかな(笑)。褒めてくれる人がいたら素直に受け止めて、中指立てられたら軽く言い返してやろう、くらいのノリがちょうど良いんじゃないかって思うんです。
今回の主演されるドラマテーマは「投資」。最近清水さんが「投資」したものは?
実は、最近全然買い物してないんですよね(笑)。貯金はしていますけどね。先行投資というよりは貯金して先のことを考えようと。
堅実ですね。
実は、真面目なんです(笑)。服くらいにしかお金は使わないからなあ……。あ、でもいま貯めているお金で旅行に行きたいですね。旅行目的で海外行ったことが実は一度もないんです。台湾とか韓国とか、ご飯が美味しい近場の国に行きたいなと。
今回の『インベスターZ』ではいつもとは違うコミカルな役柄で初主演。これからさらに挑戦したい役柄はありますか?
映画にしろドラマにしろ、作品とはもう一つ別のカルチャーが付属してるものってあるじゃないですか。音楽とか、アートとか。お芝居だけで見せることがほとんどだったので、そういった作品にも出演したいです。Hip-Hopと映画を融合させた作品で、ラッパー役を演じられたら最高ですね!(笑)
俳優業以外でやりたいことがあれば、教えてください。
モデルは今後も積極的にやっていきたいと思っていることの一つ。僕自身服好きなので、いろんな洋服を着られるのは嬉しいですし、撮影の度に新しい自分を知ることができるのは面白いですね。映像の世界でキャリアを詰んできた今、モデルとして静止画に写る自分を人に見ていただいているというのは不思議な感覚です。16~19歳って、一番顔つきが変わっていく頃だと思うんです。そんな変わりゆく姿が記録として残っていることは、何か意味があることのようにも感じます。他には、自分が好きなファッションと音楽、この二つの分野に何かしらの形で携わって、活動の幅を広げていければ嬉しいですね。
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清水 尋也
1999年6月9日生まれ、東京都出身。映画『渇き。』('14)をはじめ、今年は映画『ちはやふる -結び-』や日本テレビ系『anone』等の話題作に多数出演を果たし、今後も9月14日公開映画『3D彼女 リアルガール』等多数の公開作が控えている。7月13日(金)スタートのテレビ東京系『インベスターZ』では連続ドラマ初主演、同日スタートのTBS系連続ドラマ『チア☆ダン』に出演が決定。
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Ⓒ「インベスターZ」製作委員会
INFOMATION
ドラマ25「インベスターZ」
テレビ東京、テレビ大阪ほか:2018年7月より、毎週金曜24時52分~25時23分
原作:三田紀房「インベスターZ」(講談社刊)
主演:清水尋也
脚本:土橋章宏、八代丈寛
監督:瀧悠輔、坂下雄一郎、平林克理
オフィシャルサイト
www.tv-tokyo.co.jp/investorz
MODEL: HIROYA SHIMIZU(OFFICE SAKU)
PHOTOGRAPHY: KENTO MORI
STYLING: MASATAKA HATTORI
HAIR&MAKEUP: HORI(BE NATURAL)
EDIT: SAYURI SEKINE
INTERVIEW: MAKOTO KIKUCHI
WEB DESIGN: CHINATSU IKARASHI