CULTURE
2014.07.14
メロウでポップ、だけど踊れる、Para One流のダンス・アルバム
Para Oneと言えば、フランスのエレクトロニック・ミュージックを語る上では欠かせない重要人物の一人。00年代初頭にヒップホップ・クルーTTCのトラック・メイカーとして名を馳せ、その後はJusticeなどと一緒にフレンチ・エレクトロのパイオニアとして活躍。それからしばらくはリリースがなかったけど、昨年発表した『Passion』がまた素晴らしかった。本人も「第二のファースト・アルバム」と呼ぶだけあって、この作品では音楽性を一新。ヒップホップをベースにしつつも、流行のR&BやディスコやAORなどを散りばめてポップにまとめ上げたサウンドは、Daft Punk『Random Access Memories』以降の時代のモードとも共振していた。6年のブランクを物ともせず、彼は再び時代の前線へと躍り出たというわけだ。
そして、そんなPara Oneから届いた最新作『Club』は、『Passion』の収録曲をライヴ向けのダンス・ミックスに仕立て上げたもの。とは言っても、これは単なるリミックス・アルバムじゃない。それぞれの曲には全く新しいアイデアが吹き込まれているから、ほとんど新作のように楽しめる。どの曲も踊れるけど、キャッチーなポップ・ソングとしてしっかり成立しているのもポイントだ。例えば、リード・トラックの“You Too”を聴いてみてほしい。原曲の“You”は爽やかでメロウなディスコ・ポップだったけど、レイヴ・ミュージック風のピアノ・リフが印象的な“You Too”は、いい意味で「別物」になっている。テレビの音楽番組のパロディになっている、90’sな雰囲気たっぷりのMVもクール! 『Club』は7月16日にリリース。“You Too”は今月のおすすめトラックとしてNYLON.JPでも流れるから、そちらもお楽しみに! tofubeats / ディスコの神様 feat.藤井隆 日本のネット世代を代表するトラック・メイカー。そのアーバン&メロウなディスコ・ポップは、Para Oneの最新モードと完全に共振。 Chromeo / Come Alive feat. Toro y Moi 近年のディスコ/AOR再評価の波に乗って勢いづいているのが、この二人組。こちらは最高にメロウで楽しいファンク・チューン! Bok Bok / Melba's Call feat. Kelela 最近のPara Oneが打ち出しているスカッスカのビートは、お気に入りに挙げているNight Slugs勢からの影響? Bok BokはそんなNight Slugsのボスなので要チェック。 |
PARA ONE -『CLUB』 ¥1,400(税込) 7月16日リリース ▶iTunesにて配信! tracklist 01. LEAN ON ME FEAT. TEKI LATEX(VIDEO DUB) 02. VIBRATIONS(LIVE MIX) 03. YOU TOO ☆(先行シングル) 04. ALBATROS(CLUB MIX) 05. WAKE ME UP(REMIX) 06. SIGMUND(BOOTLEG) 07. THE TALKING DRUMS(DUB) 08. MOTHER(DEAD MIX) 09. ANIMAL STYLE(CLUB EDIT) 10. COMPUTE FEAT. SURKIN(RAVE MIX) 11. WHEN THE NIGHT FEAT. JAW(ACID MIX) P) & C) 2014 Marble / Because Music under exclusive license to KSR Corp. / PLUS VAGUE! |
text yoshiharu kobayashi / the sign magazine