CULTURE
2014.12.01
ダンス音楽の深みへと誘う、Toro Y Moiの新プロジェクト
Toro Y MoiことChaz Bundickは、2010年前後にブームとなったチルウェイヴというドリーミーなシンセ・ポップのパイオニア。キャリアを重ねるごとにポップなR&B色を強めていって、最近ではインディR&Bの流行とも緩やかに共振しながら、アーバン&メロウなインディ・ポップ・サウンドで支持を広げている。そして、このLes Sinsは、そんな彼の別名義によるダンス・ミュージック・プロジェクト。
Toro Y Moiでは胸を締め付ける甘く切ないムードを得意としていた彼だけど、今回は名義を変えただけあって雰囲気が一転。Les Sins名義でリリースしたファースト・アルバム『Michael』は、ダンスフロアの暗がりが似合うような、ダークでダンサブルなトラックが大半を占めている。 「今はみんなエレクトロニック・ミュージックに夢中だけど、James BlakeやDisclosureばかり聴いている。自分も彼らとは似たような影響を示しつつも、違ったものを作ってリスナーにチャレンジしてるんだ」と語っているChaz。Toro Y Moiの音楽が多くの人にとってチルウェイヴやインディR&Bの世界への入り口として機能したところがあったように、『Michael』も現在の刺激的なダンス・カルチャーを覗いてみる、いい足掛かりになるかもしれない。 Floating Points / ARP3 ジャズとハウスとベース・ミュージックを横断するマンチェスターの名プロデューサー。Chazが影響を公言。 Four Tet / Love Cry Chazが「生きる伝説」と絶賛するアーティスト。繊細でノスタルジックな音作りを得意としながらも、最近はダンサブルなサウンドに接近している。 Mr. Oizo / Machyne テクノ~エレクトロ~ビート・ミュージックと幅広いシーンから支持を受けているベテラン。『Michael』のダークなサウンドは、彼に影響を受けたんだとか。 |
Les Sins -『Michael』 ¥2,095(税抜) 発売中 tracklist 01. Talk About 02. Past 03. Toy 04. Why ft. Nate Salman 05. Bother 06. Minato 07. Bellow 08. Sticky 09. Call 10. Drop 11. Do Right *「Why feat. Nate Salman (Seiho Remix)」ダウンロード・ボーナストラック |
text yoshiharu kobayashi / the sign magazine