CULTURE
2015.02.25
実はこの人も? 海外アーティストが日本で撮影したMV特集
近頃、日本で撮影されたMVで一番話題になったのがこれ。2007年に“Here It Goes Again”のMVでグラミーを受賞して以来、いつもユニークなヴィデオで話題を呼んでいるOK Goの最新クリップだ。その内容は、千葉のモール跡地でメンバー4人がUNI-CABという未来的な乗り物を乗りこなしながら、2000人以上のダンサーとマスゲームを繰り広げるというもの。その光景は圧巻の一言! しかもこれが一発撮りというのだから、余計にビックリさせられる。制作チームには日本屈指のクリエイターたちが揃っていて、撮影には今話題のドローン(小型無人航空機)を使用。日本が誇る先端技術とアナログな「人の身体性」を融合させた見事な映像。ちなみに、MVの最初にはPerfumeがカメオ出演している。
クラシックとエレクトロニック・ミュージックを混ぜ合わせた音楽性でブレイクしたイギリスの4人組。全英チャート4週連続1位となったこの曲のヴィデオは、築地や山手線の電車内などで撮影。主役に抜擢されたイギリス在住の日本人女優、安部春香さんも話題になった。現在までに2億回以上再生されている大ヒットMV。
90年代のブリットポップ全盛期に、ナイフのようにソリッドなポストパンク・サウンドをまとって登場したElastica。このヴィデオは新宿ゴールデン街や駅構内で撮影されていて、映画「Blade Runnner」と日本の特撮ヒーローものを敢えてチープにミックスしたかのよう。監督はSpike Jones!
こちらも日本の特撮ヒーローものをパロディにしたMV。Beastie Boysらしく、かなりシュールでコミカル。撮影はすべてゲリラで行ったんだとか。
94年のデビュー・アルバムが日本で爆発的なヒットを記録したイギリスの二人組。日本のカルチャーが大好きで、カラフルでキッチュなファッションに身を包んだ彼女たちが、渋谷センター街を練り歩く。サインと握手攻めにあっているシーンは、当時のShampooの勢いを物語っている。
4月には単独来日が決定しているCharli XCXは、得意の90’s風ポップ・チューン“Superlove”のMVを新宿と横浜の大黒埠頭で撮影。このMVに登場するロボットレストランがお気に入りだというKaty Perryは、ヴィデオを見て「super kawaii」と絶賛! でも日本人にとっては、埠頭でCharliの周りを暴走族が駆け巡るシーンの方が強烈?
今年のフジロック出演が早くも決定しているMuseも、そのロボットレストランや渋谷センター街、スペイン坂でMVを撮影。ちなみに、メンバーが着用している衣装は、Lady Gagaのお気に入りということで有名になった原宿のDogで揃えたもの。
60年代英国ロックの遺伝子を継ぐ正統派、The Kooksの“See Me Now”は、フロントマンのLukeが幼い頃に亡くした父親へと捧げた感傷的なバラード。そのため、渋谷や新宿の騒がしい街並みを舞台にしながらも、日本の「奇抜さ」ではなく、その中で感じる「寂しさ」が主題になっている。
あの女王Madonnaも来日時にMVを撮影したことが! 渋谷や新宿の街角を舞台にパルクールの達人が忍者のように駆け巡り、Madonnaは繁華街のネオン広告を集めたセットで歌っている。とても素直に「外国人から見た日本」を表現したかのよう。
壮大なニューウェイヴ・ポップで人気のThe Killersは、新宿と浅草橋でMVを撮影。一見普通の「日本で撮影されたMV」だけど、突然あのガチャピンが登場するのがシュール!
いわゆるインターネット・ミュージック界隈と繋がりの強いLAのプロデューサー。海外アーティストが日本でMVを撮影する時は東京で撮ることが圧倒的に多いけど、本作の舞台になっているのは京都。ちなみに、このヴィデオに登場する女性は、以前Spazzkidが東京で撮影した“Truly”のMVにも出演していた。
text yoshiharu kobayashi / the sign magazine