CULTURE
2015.08.31
FUJI ROCK FESTIVAL ’15をプレイバック!! editor's report
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初日7月24日金曜日の夜から最終日となる7月26日の日曜日まで、3日間通して快晴に恵まれた今回のフジロック。NYLONチームは初日“GREEN STAGE”トリであるFOO FIGHTERSにギリギリ間に合い、会場となる新潟県湯沢町苗場スキー場に到着! 玉座に乗って現れたデイヴ・グロールは、貫禄とシュールさが顕在する佇まい。先日のライヴで骨折したシーンをわざわざスクリーンに投影しての解説コーナーも最高(笑)。とは言え名曲「Breakout」のパフォーマンスは圧巻だった。さらに山の奥深くへ登り“WHITE STAGE”のRUDIMENTALへ。星空の下で聴くドラムンベースのビートが、チリンなレイヴ感を生み出す。くるくる変わるヴォーカルと、ホーンパート、オーディエンスまでもが渾然一体となったダンスパーティが繰り広げられた。夜な夜なお酒をたしなみながら踊る“RED MARQUEE”もフジの醍醐味。FLUMEやJAM CITY、MAX COOPERなど、エレクトロニカやUKガラージ勢のダンスサウンドがミッドナイトに心地良く響き渡っていた。
RUDIMENTAL - "Feel The Love ft. John Newman"
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マスク姿のはちゃめちゃコンビ、twenty one pilots。2日目のフジで一番美味しいところを持っていったのはこの2人かも。ピアノに上がってバク宙(お約束)するわ、タンバリンを投げるわ、客に肩車を煽るわでもうてんやわんや。でもそれが本当に楽しくて、みんな汗だくで笑顔だった。個人的に注目だったのはdeadmau5。2011年のキャンセル以来、4年振りのリベンジだ。他の国で出演する時よりも派手さに欠けるヴィジュアルセットは、より音に専念できるから逆に良かった。“ボタンプッシャー”だのなんだのと、一部のEDMアーティストを痛烈にdisる彼だからこそ、緻密に計算されたmixはさすが。フジロック屈指の音圧に陶酔してしまった。この日の“WHITE STAGE”のトリはBELLE AND SEBASTIAN。今年リリースされたニューアルバム収録のナンバーから、初期の名曲まで惜しげも無く披露。お馴染み「The Boy with the Arab Strap」では、30人近くのお客さんをステージに上げダンスパーティを作り上げたのがハイライトだった。テンションそのままに“RED MARQUEE”のFKA twigsが最旬のEDMで踊らせる。自身の曲とヒット曲を矢継ぎ早にmixする怒濤のプレイに、深夜にも関わらず汗だくのオーディエンスが踊り狂っていた。
twenty one pilots - "Guns For Hands"
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いよいよ最終日。“WHITE STAGE”のceroが夏休み感を煽った素敵なショーを披露し、“RED MARQUEE”のTHE BOHICASが王道ロックサウンドで観客を酔わす。夕方過ぎ、再び“WHITE STAGE”へと向かうと、ピンと張りつめた人々の空気と澄んだ山の空気が混ざり合って不思議な感覚に。toeのライヴだ。繊細で緻密に構築された音の波、人の心そのものに突き刺すような見事な演奏だった。続くHUDSON MOHAWKEは自身の名のネオンをスクリーンに映し出すと、図太いベースラインが身体の芯まで揺らしてくる。アルバム「Lantern」収録曲を中心に、ネクストレベルなサウンドを聴かせてくれた。そして“GREEN STAGE”の大トリ、NOEL GALLAGHER’S HIGH FLYING BIRDS。熟練されたギター職人の安定感あるショーは、途中「Fade Away」「Whatever」などオアシス期の曲も交えながら展開していく。大団円を迎えるラストは「Don’t Look Back in Anger」。これ以上ない大合唱とライトに照らされるオーディエンスのシルエットは本当に感動的だった。
ノエルを最後に会場を去った人も多いかも知れないが、NYLON的にはFKA twigsも当然見逃せない。静寂な“WHITE STAGE”にスモークと共に現れた彼女は、まさにアーティストと呼ぶにふさわしい存在そのものだった。コンテンポラリーなダンスパフォーマンスと、アンビエントなのに強烈に響くアブストラクトなベース、演劇を観ているような錯覚にさえなった。ノエルの時点でもう大感動だったのに、さらなる満足感をもたらしてくれた。
FKA twigs - "Two Weeks"
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本当に気持ちの良い気候で過ごせた今年のフジロック。あの最高のロケーションと、ここでしか生まれないアーティスト達の希有なパフォーマンス。どこを取ってもやはり最高峰だ。
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上段 : 宇宙大使☆スター
下段(左、中) : Masanori Naruse
下段(右) : Yasuyuki Kasagi
text sadanori utsunomiya